ヨーガ・スートラ

September 11, 2009

集中と拡大

お酒はグラス1杯のビールで十分です。

なので夜、お酒を飲みに出歩くことはほとんどありません。

でもたまに、酒好きの友人に連れられて
素敵なバーに行ったりすると、

お酒が熟成していくように、人生の味わいを深めたマスターの

シンプルでいて深みのある一言に出会えます。


隣りの席に座っていた、若い新聞記者さんに語った一言。


仕事はやっつけでやっちゃうと、
次もやっつけになっちゃう。

でも

ひとつの仕事を深く深く掘り下げると、
次の仕事にもどこかでつながって、広がりが出てくるんだよね。


ヨガの学びの実践である8部門。
5番目から8番目は瞑想についての話なのですが、

6番目、7番目に、

凝念(ぎょうねん):ダーラナ と、
静慮(じょうりょ):ディヤーナがあります。

「ヨーガ・スートラ」第3章の1と2にそのことが書かれています。
今回は佐保田鶴冶先生の「ヨーガ根本経典」(平河出版社)からの引用です。

『3-1 凝念とは、心を特定の場所にしばりつけておくことである。

3-2 静慮とは、同一の場所を対象とする想念がひとすじに伸びていくことである。

静慮は凝念の延長であって、その間に間断はない。

凝念のときと同一の場所を対象とする想念の流れが中断することなく、

ひとすじに伸展していって静慮に転入していくのである。

凝念によって一点に凝結された意のはたらきが、

今度はのびのびと、しかし整然と、

ある一つの対象を中心として伸展していくのが静慮である。

凝念は集中的であるのに対して、静慮は拡大的である。』(引用終わり)

と、あります。

このことについては、私は初め、何がなんだかわからなかったのですが、
クンダリーニJP 小山一夫先生の講義や著書
「ヨーガの極意」(BABジャパン)などに詳しく書かれてあり、
おぼろげな輪郭を把握しました。
(もちろんこの本質は瞑想の実践であり、私は言葉として少々理解しただけで、
まだ何も体感していないことをお断りしておきます)

マスターの話を聞きながら、このダーラナとディヤーナのことが
頭をよぎりました。

仕事も、瞑想も、・・・そしてすべて、

深いところでのしくみはきっと一緒なんだと。


好きなこと、ひとつのことを集中して掘り下げていくと、

そこから、

その同じ場所を中心に、

今度は、伸び伸びとした広がりが生まれてくる・・・


そんな風に解釈しました。



moriokayoga at 23:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)