インビクタス

February 14, 2010

インビクタス

79歳、クリント・イーストウッド監督がまたまた撮りました。

1995年に南アフリカ共和国で開催されたラグビーワールドカップ。
それまで弱かった自国のラグビーチームをその時の大統領、ネルソン・マンデラ氏がチームのキャプテンと交流を図り、奇跡の優勝へと導いていく実話です。
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タイトル「INVICTUS(インビクタス)」は、ラテン語で「征服されない」の意味。

27年間、政治犯として獄中につながれていたネルソン・マンデラ氏が支えとしていたウィリアム・アーネスト・ヘンリーの詩の題名からとられています。

クライマックスはもちろん、ド迫力のスタジアムでのラグビーの試合のシーンですが、イーストウッド監督はその前のマンデラ氏の姿を丁寧に描いています。

会う人、会う人に対するマンデラ氏の相手を敬う気持ち、

お茶や食事を用意してくれる女性に対しての
その度ごとののお礼の言葉や感謝の態度。

27年、獄中で暮らした後に見せるマンデラ氏の日常の過ごし方、
ひとつひとつが、映画で何度か出てくる「インビクタス」の詩の最後の2行


私が我が運命の支配者

私が我が魂の指揮官なのだ



を体現しているんですね。

マンデラ氏は自分を27年間獄中で縛り続けた人たちを許し、
一緒に国を再生していこうとします。

それが、マンデラ氏の「征服されない」という意味。

自分の感情に征服されず、

自分の過去に征服されず、

自分が、自分の運命の支配者になって、未来をひらいていく。

そんな彼の言葉なんかではない、圧倒的な存在から醸し出される
エネルギーに、会う人、会う人がそれぞれ強烈に影響されて、
彼に導かれていきます。

そんな、本当はものすごい不屈の闘志を秘めたマンデラ氏を
イーストウッド監督は、淡々と、軽やかに描いていて、
そのさりげなさに何度もジーンときてしまうのですが・・・

何はともあれ、たくさんの人に観て欲しいなと思う映画です。

お時間のある方はぜひ劇場まで足を運んでみてください〜。

moriokayoga at 23:59|PermalinkComments(2)TrackBack(0)