July 08, 2013

エリック先生からの贈り物:オモシロブログ最終回

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写真はエリック・ストーンバーグ先生の
愛くるしい御子息、ジャスパー君。

カワイーーっ♪♪

思わずこちらも微笑んでしまいますね。
パパと一緒にいる幸せ感が写真いっぱいに溢れています。

エリック先生の翻訳ブログ、最終回は、
先生の家族愛もしみじみと伝わってきます。

ヨガの技法のひとつ、ムドラーのお話です。

原文はこちら

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亀の印
2012年11月7日


回転木馬

<ハリケーンで水に浸かる“ジェーンズ・カルーセル(回転木馬)”
−ブルックリン、ニューヨーク>

タントラにおけるムドラーのプラクティスは、印象付けの術だ。世の中は、常に私たちに印象を与えている。毎日、刻一刻と、イメージや態度や信条などの絶え間ない流れが、私たちに印象を残していく(襲いかかる?)。ニューヨークにおける一瞬一瞬が、刺激的な情報の集中攻撃になり得る。どうすればこれを減速させ、価値あるものを受け取ることができるようになるのか?タントラのヨギーが用いる技術の一例が、ムドラーなのだ。

この1週間ほどで、ニューヨークには相当の痕跡が残された。昨日、大統領選の投票所で大混乱に巻き込まれた人もいれば、5分で投票を終えた人もいた(僕)。ハリケーン・サンディーがやって来て、その衝撃を皆が感じた。永遠に続くものはないということを、母なる自然がまた思い出させてくれた。先週、マンハッタンのダウンタウンを歩いていて、とても無防備に感じた。私たちが住んでいるこの大都市、頑丈で不変に見えるが、一瞬で全てなくなってしまうこともあり得る。

嵐の後、多くの人の日常生活のリズムが変わった。時間そのものが、まだ変な円を描いて動いている。時間の境も、はきりしなくなっている。かつてないほどに家を早く出てバスや地下鉄に乗るが、それでも目的地には遅れて着く。しかし、そのような状況であっても、人々の雰囲気は落ち着いている。明らかに、私たちは皆、自分がいかに恵まれているかをよく考えている。そして今度は北東からやって来る嵐が、家の中にいろと、私たちに念を押す。

我が家に勝るところはない。家を破壊された多くのニューヨーカー達の映像を見るにつけ、これまでになくそう感じる。そういう映像を見たり、奪われた命や被害を受けた地区の話を聞いたりするのは、本当に苦しい。だが、今まで生きてきたなかで、何回このような映像を目にしただろうか。数え切れないほどだ。ありふれ過ぎていて、つまらないくらい。奇妙に複雑な感情だ。

実はハリケーン後、とても素敵な1週間を過ごした。息子の学校は休みで、ダウンタウンの友人らが私の家へ泊まりに来ていた。本当に楽しくて、美味しい料理を作ったり、レゴのブロックやビー玉転がしのレールを組み立てたり(ハリソンおじさんが凄い技を教えてくれた)、素晴らしい仲間と一緒にいる時間を満喫した。トリック・オア・トリート(ハロウィンのお菓子ねだり)も。自分がいかに恵まれているかを考えると同時に、破壊や喪失の映像や話を見聞きするにつけ、自分がもっと手助けしていないことに罪悪感を覚え、先行きに不安を感じ、精神的に疲れてしまった。繰り返しになるが、この複雑さをどう捉えればいいのだろうか?

タントラでは、亀のイメージにインスピレーションを求める。賢く、太古からの生き物である亀。長く、長く生き、何もかも見てきた亀は、時間をかけ、どこにいようと常にくつろいでいる。甲羅の中に引きこもった亀を見て、隠れていると言う人もいるかもしれない。でも、タントラの実践者は、そうではなく、無限の可能性を秘めた世界に入り込んでいるのだと言う。世の中から離れるためではなく、内に広がる世界の中心を憩いの場所にするために、座って目を閉じ瞑想するヨギーと同じだ。

次の、簡単でグラウンディング効果のあるムドラーを試してみてほしい。クルマ・ムドラー、つまり亀のムドラーと呼ばれている。私の場合、瞑想前に行うと集中しやすくなり、また、徐々にと自分のものにしていくと、色々なレベルで作用するタントラの技術でもある。印象を残すのだ。(自分の人生における印象は自分で残していった方がいい。さもないと、世の中が勝手にその作業をやってしまうから)

手の甲の上に、もう片方の手のひらをのせる。左右のどちらが上になっても構わない、自分のやりやすい方で。親指以外の4本の指同士は重なっていて、親指は広げる。亀になった。見えた?リラックスして、数呼吸、このジェスチャーに身を任せよう。とてもグラウンディング効果がある。そして、時間の流れも遅くなるように感じる。安らぎのリズムに自分の心を開くと、価値のあるものを受け取ることができる。このジェスチャーが私たちに思い出させてくれるのは、複雑な感情の渦巻く場を含め、どこにいようと、自分の家にいるかのようにくつろげるようになる、ということ。そして最近の私にとって、このムドラーを作ることは、ニューヨーカーの皆に対するささげ物となっている。必要としている人たちに、家庭や温もり、そして愛などの恵みを発しているアンテナのようなものだ。私と一緒にこのプラクティスを行い、感想を聞かせてほしい。

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<私の先生であるダグラス・ブルックスが1980年代初頭に南インドのタミル・ナドゥで撮影。彼の先生であったスンダラムールティの息子、スリラムの手>


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いかがでしたでしょうか。

クルマ・ムドラー。


2011年、3月。
同じような経験をした私たちに対しても
心温まる、贈り物になっていましたね。

エリック先生がこのブログを書かれたのは
2012年の11月7日。

このWSがなければ、きっと読むことが出来なかったこの記事を、

時間を自在に行き来して、今、みなさんにお届けできることに
不思議な・・・でも偶然ではないものを感じています。

古くから伝わる、ヨガのさまざまな技法。
それは、どこかの遠いお話ではありません。

私たちが、その伝統のおしえを、
少しでも身近な生活の中に取り入れることで


今がもっと充実して、

過去とのつながりが深まり、

楽しんで未来に向かえるよう、

ラジャナカ・タントラ哲学のエッセンスを
神話、アーサナ、瞑想を通じて、
エリック先生がガイドしてくださいます。


キャンドルライトの幻想的な光に包まれて
一期一会の夜をご一緒しましょう。

皆様のご参加、お待ちしております。


7/26〜28 
東京:スパンダヨガスタジオにて
「ラジャナカ・タントラ哲学 講話シリーズ」
3日間、みっちり受けたい方は東京へGoっ!

7月30(火)、31(水)、は盛岡にて開催。
『キャンドルライト マジック』
ラジャナカ・タントラ哲学の夜






岩手 盛岡 yoga studio シャンティシャンティ

moriokayoga at 12:13│Comments(0)TrackBack(0) WSのこと 

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