May 29, 2011

もっと想像力を

週末は、先週被災地に入ったときに友人が見つけた
彼女のアルバムの写真の汚れ落としをしました。

ちょうどスタジオに空き部屋があるのでそこでの作業。

奇跡的にアルバムはかなり見つかったのですが、
瓦礫の下敷きになっていてヘドロにまみれ、
再生できなかったものもかなりあり残念でした。

カッターで台紙のフィルムをはがし、
お湯で優しく表面の泥を落とします。

表面がぬるぬるしていて滲んでいるものは
触ると消えてしまうので、注意が必要。

驚いたのは、その匂い・・・・

アルバムをめくると、下水のような強烈な匂いが立ち込めます。

今、被災地の地面は、瓦礫が交じり合い、
毒素、細菌も発生しているとのこと。

沿岸の魚の腐敗、腐臭などもひどいらしいですね。

この何冊かのアルバムだけでこの匂い・・・

でもこれを嗅いでみて初めて
新聞、テレビだけの情報ではわからない
被災地の方の苦労に思いを馳せることが出来ました。

この何百倍もの匂いの中で暮らしている方がいるんだと思います。

昨日のうちに彼女のダンス仲間の友人姉妹が
手早く作業してくれてほとんど片付きました。
ホントに、ちょっとしたことでも何人かの人でやると
心と身体の負担が少しは軽く、早く出来るもんですね。

今日は彼女と二人で簡単に残りの作業を。

写真の背景に写っている、この町自体がもうないんですよね、
そう思うと貴重な写真ですよね。
彼女が言った。

そして私は考えが及ばなかったのだけれど、
あぁ、そうか、
と、彼女の言葉を聞いて、しみじみ思った。

「私は見つかったけど、何にも見つからない友人、
母の知人も多いから、
一緒に写っている写真見せたら、きっと喜びます」


写っているのは、彼女と彼女の家族だけではなく、

その周りにいたたくさんの友人、近所の人、知り合い、
学校の先生、
毎日歩いた廊下や教室、
さまざまな思い出の行事、
遠足や運動会やクラブ活動や書道の入選、
夏休みの避暑地やスキー合宿、
季節のうつろい、
お正月や、ハレの日の装い、
背景に写っているタンスやテーブル
お気に入りの服や部屋、
生まれたばかりの嬉しさ、
なんでもないひとときのおどけたポーズ、

そして、フレームの外に広がる大槌の町。

彼女と出会って10年以上経つ。

何度か、
実家に遊びに来てくださいと言われた気がする。
今更ながらに、一度も訪れなかったことが残念でなりません。



moriokayoga at 22:27│Comments(0)TrackBack(0) daily life 

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